ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(87)妻がいるという事・第一章⑤

終わる始まる⑤

その日の朝は、いつもよりゆっくりと目覚めた。

何のことは無い、日曜日の朝である。

少しだけ遅く起き、洗面を済ませ庭の花を眺める。

当時はアパートの1階に住んでいたが、珍しく庭付きで気ままに花を植えて楽しんでいた。

特にチューリップがお気に入りで、何色の花が咲くのかいつも楽しみにしていた。

今思うと、そんなささやかな楽しみを妻と共有していたのだと思い、逆に心苦しくなる。

特に派手でもなく地味でもなく、ごくごく普通の夫婦であるはずなのに、亭主が馬鹿な為に妻を気付かずに傷つけていた。

そんな、生活の中で妻には庭のチューリップがはたして綺麗に見えていたのか?

もしかしたら、私の為に傷付いた心をチューリップが癒してくれていたのかもしれない。

そうであって欲しいと、今更ながら思うのである。

その日の日曜日、妻は体調が悪かった。

妊娠中で体調が不安定になるのは仕方が無い事。

むしろ、それだからこそ必要以上に妻を気遣って当たり前で、もちろん私もそれなりに妻を気遣う事はしていたつもりだった。

要は、妻が今、どうして欲しいかをどれだけ気付いて気遣ってあげられるかが重要だと思う。

決して、こちらから一方的に押し付ける物ではない。

それが、当時の私には分からなかった・・・

その日、体調が悪い妻の状態を思いゆっくりと休ませることにした。

食事の買い物に出掛け、妻の食べたいものを作って食べさせた。

妻が寝ているので、退屈しのぎに台所とお風呂、トイレの掃除をすることにした。

誰が見ても特段、汚れが目立つ事もないのに、神経質な私にはちょっとした汚れが目に付いてしまう。

普段は何とも思わないのに一旦、気になりだすと止マラナイ・・・

掃除を始め、せっせと汚れを落としていく。

キレイに成るにつれ段々と気持ちがスッキリしてくる!

そう、フツウは・・・・・

普通はきっとそう。今の私にはそれが普通だと思える。

しかし、その時の自分勝手な私にはそう思えなかった・・・

「なんで、こんなに汚れているんだ?」

「ちゃんと、掃除してないじゃないか・・・」

段々と怒りが込み上げてきたのです。

そして、具合が悪くて休んでいる妻に対して・・・・

本当にスミマセンでしたm(__)m

おなかを大きくして、それだけで大変なのに一生懸命に家事も頑張ってくれている妻に、あの日の妻に謝りたい。

心から、謝りたい・・・

本当にごめんなさい、スミマセンでした。

でも、それでも私が長年妻を傷つけてきた事実は消えない。

私が妻にしてきた罪を一つ一つ思い返して、ただひたすら懺悔する日々・・・

          -終わる始まる⑤-

次回に続く・・・

投稿者: iiduka39

日本に生まれ、日本人としての誇りを文字に託して一筆、一筆心を込めてお書きいたします。どうぞ、お気軽にお問合せ下さいませ!

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