ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(93)「妻がいるという事」第二章・ある男の誕生⑥裏切りの形象

終わる始まる・ある男の誕生(Birth of a man)⑥裏切りの形象

楽天イーグルスが2021シーズンの開幕戦を見事に勝利で飾った!

涌井が開幕投手の大役を見事なピッチングで務め切り、石井一久新監督に初勝利をプレゼントした。

東日本大震災から10年を迎えた今年。

我々東北の被災者に勇気と笑顔を届けてくれた!

そして、第2戦は先発「田中将大」

の予定だったが、脚のケガで急遽登板回避・・・

らくてん、、、らくたん、、、落胆・・・

日本中のプロ野球ファンは、その勇姿をどれだけ楽しみにしていたか。

チケットを購入した人の落胆は・・・

そして、もちろん本人、田中将大もどれだけ残念な想いをしたか。

でも、こればっかりはどう仕様も無いと思う。

しかし、あの日の私は本当に絶望的な落胆をあじわった・・・

駅前で私を待ち伏せしていた高校生。3人。

そのまま駅裏の空き地に移動。

「なんの用かわかってるよな!」

昨日の奴がそう言うや否やいきなり殴りかかってきた。

やられるのは覚悟していたので、咄嗟に相手の拳をかわしたがカウンターをぶちかます前に連れの奴に後ろからケリを食らい、そこからは完全にボコられ、その場にうずくまるしかなかった。

そして、満足するまで私を貯め付けた後、

「中坊がナメテんじゃねー」とか捨て台詞を吐いて高校生たちは帰って行った。

私は、しばらく立ち上がれずその場に横たわっていた。

体の痛みが今までの自分の愚行を責めるように全身を容赦なく痛めつけた。

立ち上がれなかったのはボコられたショックでは無かった。

そのショックの原因は、そこに居るはずの相棒がいつの間にかいなくなっていたことが何よりの原因だった。

把手共行(はしゅきょうこう)

共に手を取り合って、進んでいく。

私と、相棒のYはまさに把手共行。

どんな時も一心同体、互いの為に体を張れる親友のはずが何故か今此処にあいつは居ない。

駅前まで一緒に駄弁りながら歩いていた筈なのに。

「あ、そうか!きっと誰か助けを呼びに行ってくれているのか」

と、思ったが

「誰を?」

高校生に絡まれた私を助けに来てくれる様な仲間は思いつかない。

いない。

「Y、なんで此処にいないんだよ・・・

お前が一緒に戦ってくれるんじゃね~のかよ。」

言葉にならない虚しさが突然私を襲う・・・

いつの間にか流れ出した涙と共に、私はつぶやいた。

「裏切り・・・・・」

因果応報。

今、15年の人生で最悪の時期を迎えているのであった。

駅裏の人目に付かない空き地。

立ち上がる事も出来ず、相変わらずその場にうずくまることしかできないでいた。

静かに夕暮れが周りの色を飲み込んでいった。

そして、依然としてビートルズの「ヘルタースケルター」が脳の中で鳴り響いていた・・・

終わる始まる・ある男の誕生(Birth of a man)⑥裏切りの形象

次回に続く・・・

【ロゴ・漢字デザインの39デザイン事務所】

日本人にとって、日本語はもちろん無くては成らないもの。そして、日本語が持つ、言葉の力に励まされ頑張って来れたのだと思います。 もちろん私も、今までの人生に於いて、言葉に励まされた事は数知れません。言葉、ロゴを一文字一文字に、感謝の気持ちを込めて、お客様の為に 表現していきたいと思います!

ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(92)「妻がいるという事」第二章・ある男の誕生⑤out of the blue

終わる始まる・ある男の誕生(Birth of a man)⑤out of the blue

空は青。

雲は白。

葉は緑。

イチゴは赤。

そして、血の色も・・・

兄貴に張り倒され、鼻から血を吹き出し混乱の中で脳みその中で音楽が流れ続けていた。

ジョン・レノンのアルバム『マインド・ゲームス』に入っている

「out of the blue」・・・・・・(全く関連性は無い)

翌日から、全ての景色が一変した。

空は灰色。

雲は紫。

葉は無色。

そして、イチゴは鉛色・・・・・

崢嶸(そうこう)

山、高く険しい。

人生の厳しさを山に例えた言葉。

翌日、早速その人生の厳しさを思い知るのでした。

学校では何事も無く過ごすことが出来た。

例の一件はまだ学校では知られていなかった。

マスクをして登校したので、顔の腫れも気付かれず済んだ。

因みにマスクは当時、ヤンキーアイテムの一つでもあった。

それを思い出し、今の世の中、世界中がヤンキー化してしまったかと錯覚を起こしそうにならないでもない。

余談でした。

そんな事はさて置き、それはその日の下校途中に起こった。

前日、駅前でおちょくった高校生(ヤンキー)がご丁寧にも私を待ち伏せしていたのである・・・・

この時のBGMは

ビートルズの「ヘルタースケルター」

ある男の誕生(Birth of a man)⑤out of the blue ー

次回に続く・・・

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ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(91)「妻がいるという事」第二章・ある男の誕生④ネクスト・ワールド

終わる始まる・ある男の誕生(Birth of a man)ネクスト・ワールド

突然の怒りによる暴力

そして、兄が激しく私を罵った。

「テメ~今日、高校生をおちょくったそうだな!」

兄貴の高校の先輩の弟だった・・・

その先輩から兄貴が呼び出しを食らった。

そして、兄貴はボコられた。

その日から、兄は「ヒーロー」から、私にとって最も「厳しい存在」になってしまった・・・

そして、当然の事ながら兄の後ろ盾が無くなった私の状況は、自分でも信じられない位、激変したのである。

そう、もちろん悪化の方向に・・・・・

当時、兄、高校1年。私、中学2年。

ネクスト・ワールド

終わる始まる・・・・・・・

ある男の誕生(Birth of a man)④ネクスト・ワールドー

次回に続く・・・・・

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ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(90)「妻がいるという事」第二章・ある男の誕生③血の感触

終わる始まる・ある男の誕生(Birth of a man)③血の感触

風。

そよ風・強風・微風・突風・つむじ風・涼風・烈風・向かい風・

追い風・松風・潮風・・・

風は様々に表情と形を変える。

そしてその影響を地球上全てに及ぼす。

その日、兄が吹かせた風は、プラスチックの様に無機質で・・・

何の温もりも無く、だが硬く角があり全く心地の良くないそんな風であった。

プラスチックの風・・・・・

血の感触

兄は私にとって幼い頃からのヒーローであった。

地域のガキ大将。

運動会では常に一等賞(今はあまり使わないか・・・)

野球チームではクリーンナップを任されていた。

何より、いつも私を身体を張って守ってくれた。

そんな兄と同じ血が流れている事が私を勘違いさせていたのだろうか?

いずれにしろ、このままで良いわけが無いのは確かだがその時の私には全く気付けずにいたのだった。

中2になり、学校の内外で好き放題していた。

それなりに顔も整っていたので、特に1年生の女子からはメチャクチャモテた。

その日の私は完全に有頂天になっていた。

以前から気に入らなかった後輩に焼きを入れて土下座させた事。

後輩の女子から告白された事。

そんな事では無い・・・

学校帰りに駅前に仲間とたむろして、だべっていた。

その時、とある高校の不良が私達の近くを通った。

当然のように、我々に対してメンチを切ってきた。

中学生だと思ってハッタリを噛ましてきたのだ。

当然、睨み返す。

相手はムキになって絡んできた。

「待ってました!」のパターン

「T高の○○の弟だってわかって絡んでんだろうな!(# ゚Д゚)」

この一言で相手を黙らせる。

最低のガキ・・・今こそ天罰を・・・と今更ながら痛切に思う。

そして高校生を黙らせた事で完全に有頂天になった。

         ・

         ・

         ・

その日の夜、夕食を済ませ部屋で寛いでいた。

突然、部屋のドアがバーンと音を立て激しく開いた。

「テメー、フザケンジャネーこのクソガキがー!」

鬼の形相で兄が部屋に入って来るなり私の顔面を殴り飛ばした。

3発食らった・・・ケリも食らった・・・

目から火花・・・・・

鼻血が噴き出し・・・

何が起きたのか分からず、ただただパニック状態に陥った・・・

そして、兄の口から出た言葉に自分の愚かさを知ったのであった

そう、やっと・・・・・

この、血の感触と共に。

-ある男の誕生(Birth of a man)③血の感触-

次回に続く・・・

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ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(89)「妻がいるという事」第二章・ある男の誕生②プラスチックの風

終わる始まるある男の誕生(Birth of a man)②

兄の権力にぶら下がり、あらゆる処で居丈高に振舞っていた。

そんな私に天罰が下る時が突然訪れる。(もう少し後になるが)

そして私は中学2年に進級した、いわゆる「中2病」に突入して行った・・・

あらゆる所で横柄に振舞う、我がままで心無い私が中2に進級してしまったのだ。

プラスチックの風

後輩も出来、3年生は受験の時期に入り、威勢が良かった先輩達も段々と落ち着いて大人しくなっていった。

そんな先輩達を尻目に、私は以前にも増して威勢を誇示するようになっていた。

相棒のYとのコンビも冴えわたり、まさに学校では怖い物無し!

青春を謳歌していた。(全く傍迷惑なガキである)

兄の変化・・・

私が中2に進級し、2才年上の兄は高校に進学した。

兄が入った高校は地域では有名な「ヤンキー校」・・・・・

兄は兄で、新天地で新たな戦いの日々が始まっていたのだ。

いわゆる、「あるある」だが、こういう高校にはそれなりの生徒が集まってくる。

いくら、中学で幅を利かせたとしても高校に入れば完全に下っ端で、毎日の様に試練がが待っているのである。

それは、クラス・学年・先輩と、あらゆる場面で睨み合いが巻き起こる。

それこそ、女子の先輩から張り手を食らう事もこの高校ではあるそうだ。

それこそ、権力のある先輩から睨まれたら高校生活は地獄と化してしまうのだ。

兄は、とにかく先輩に媚びるのが嫌いな性格で、そんな性格が災いして高校生活は徐々に、「苦しい」ものになっていった・・・

兄の機嫌は日を追うごとにドンドン悪化していった。

それに伴って、私に対してぞんざいな扱いをする様になっていったのだ。

それは、プラスチックの風・・・だった・・・

-ある男の誕生(Birth of a man)②-

次回に続く・・・

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ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(88)「妻がいるという事」第二章・ある男の誕生①

終わる始まるある男の誕生(Birth of a man)

長年に渡って、知らず知らずのうちに妻を苦しめてきた私。

そして、突然の妻からの宣告「離婚したい」

相手の気持ちも考えず、好き放題やってきた私への当然の報い。

「因果応報」自分がした事は必ず自分に返ってくる・・・

当然の報いである。

でも、離婚により妻のその後の人生が苦難に見舞われるのであれば忍びない。

今は、今後の妻の人生が、少しでも良い方向に進めるように出来る限り協力したいと思う。

ある男の誕生

M県の北に位置する、K市(当時K郡S町)で私は三人兄弟の次男として生まれた。

2歳年上の兄と、3歳年下の弟と私の団子3兄弟ならぬ、男3兄弟。

物心ついた頃から、兄は地域のリーダー的存在だった。

いわゆる、「ガキ大将」。

父親は、かなり気が荒く、若い頃から喧嘩が強くて有名だったそうで(祖母談💦)、その血を受け継いだのだろう。

小学校の頃から兄に守られて、歳上に対してもお構いなし。

かなり、生意気なガキだった。

中学に入るとその生意気さは更に加速して、教師に対してもかなり扱いに困る生徒の一人だった。

当時、ヤンキー全盛期で、学校にも幾つものヤンキーグループがあったが、私は集団で徒党を組むことが嫌いだった。

それで、幼馴染のYといつも2人でつるんでいた。

Yは、小学校の頃から私の子分で、勉強は全くできなかったがとにかく、ひょうきんでクラスの人気者だった。

それが、小学校の高学年になった頃からYの運動神経が覚醒し学年でも1・2を争うほどの身体能力を発揮するようになり、それと共に喧嘩の腕も爆上がり!

最強のパートナー、最強のバディ。

二人だけだが、どのグループからも一目置かれていた。

私が中学に入学した時、兄は3年だった。

先輩達にも「○○さんの弟さん」という事で、どんなに生意気でも私に手を出す先輩は一人もいなかった。

        ・

        ・

        ・

私は、完全に調子に乗った。

こうして、無用の「クズ」が出来上がっていったのだ・・・

今、振り返ると当時の私は、教師・先輩・後輩・同級生にさえ厄介な存在だったと思う。

現に、2人の男性教師から毛嫌いされていたのをハッキリと自覚していた。

それでも、そんな事には全くお構いなしで、わがまま放題、好き放題。

とにかく、毎日自分勝手に生きていた。

今思うと、そんな私に傷つけられ嫌な思いをしていた人は、いったいどれ位いたのだろうか?

そんな事は、砂の一粒程も考えず私は私の愚行に気付くことが出来なかったのだ・・・

そんな調子で中学2年に進級した。

しかし、そこから私を取り巻く状況に、少しずつ変化が出始めるのだった・・・・・

     -ある男の誕生(Birth of a man)①-

次回に続く・・・

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ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(87)妻がいるという事・第一章⑤

終わる始まる⑤

その日の朝は、いつもよりゆっくりと目覚めた。

何のことは無い、日曜日の朝である。

少しだけ遅く起き、洗面を済ませ庭の花を眺める。

当時はアパートの1階に住んでいたが、珍しく庭付きで気ままに花を植えて楽しんでいた。

特にチューリップがお気に入りで、何色の花が咲くのかいつも楽しみにしていた。

今思うと、そんなささやかな楽しみを妻と共有していたのだと思い、逆に心苦しくなる。

特に派手でもなく地味でもなく、ごくごく普通の夫婦であるはずなのに、亭主が馬鹿な為に妻を気付かずに傷つけていた。

そんな、生活の中で妻には庭のチューリップがはたして綺麗に見えていたのか?

もしかしたら、私の為に傷付いた心をチューリップが癒してくれていたのかもしれない。

そうであって欲しいと、今更ながら思うのである。

その日の日曜日、妻は体調が悪かった。

妊娠中で体調が不安定になるのは仕方が無い事。

むしろ、それだからこそ必要以上に妻を気遣って当たり前で、もちろん私もそれなりに妻を気遣う事はしていたつもりだった。

要は、妻が今、どうして欲しいかをどれだけ気付いて気遣ってあげられるかが重要だと思う。

決して、こちらから一方的に押し付ける物ではない。

それが、当時の私には分からなかった・・・

その日、体調が悪い妻の状態を思いゆっくりと休ませることにした。

食事の買い物に出掛け、妻の食べたいものを作って食べさせた。

妻が寝ているので、退屈しのぎに台所とお風呂、トイレの掃除をすることにした。

誰が見ても特段、汚れが目立つ事もないのに、神経質な私にはちょっとした汚れが目に付いてしまう。

普段は何とも思わないのに一旦、気になりだすと止マラナイ・・・

掃除を始め、せっせと汚れを落としていく。

キレイに成るにつれ段々と気持ちがスッキリしてくる!

そう、フツウは・・・・・

普通はきっとそう。今の私にはそれが普通だと思える。

しかし、その時の自分勝手な私にはそう思えなかった・・・

「なんで、こんなに汚れているんだ?」

「ちゃんと、掃除してないじゃないか・・・」

段々と怒りが込み上げてきたのです。

そして、具合が悪くて休んでいる妻に対して・・・・

本当にスミマセンでしたm(__)m

おなかを大きくして、それだけで大変なのに一生懸命に家事も頑張ってくれている妻に、あの日の妻に謝りたい。

心から、謝りたい・・・

本当にごめんなさい、スミマセンでした。

でも、それでも私が長年妻を傷つけてきた事実は消えない。

私が妻にしてきた罪を一つ一つ思い返して、ただひたすら懺悔する日々・・・

          -終わる始まる⑤-

次回に続く・・・

ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(86)妻がいるという事・第一章④

終わる始まる④

妻から「離婚」を言い渡されて受けたショックから立ち直るには余りにもそのショックが大きすぎて・・・

兎に角、ひたすら自分の非を思い返す事しかできませんでした。

今まで自分が良かれと思ってして来た事、言って来た事。

全てとは言わないまでも、あれもこれも本当に正しかったのか?

それこそ自分を慕ってくれている人達にも、本当に信頼されているのかも不安になってしまった。

人は、知らず知らずのうちに人を傷つける事が有ります。

良かれと思って言ったこと、やった事が実は相手を傷つけてしまう・・・

そして、傷つけた人は全く傷つけた事に気付かず、逆に傷つけられた人は、一生傷つけられた事を忘れない・・・

一体、私はこれまでの人生に於いて、どれだけの人を傷つけて来たのか。

それを考えると、一番身近に居る妻や子供たちに対してはどれほどの過ちを犯してきたのか計り知れない。

考えれば考えるほど、妻の「離婚」の言葉の重さが巨大な岩の様に私の心に重く重くのしかかって来て、そこから逃れる事が出来ずもがき苦しむ日々・・・

この様な状況に陥ると、否応なしに自虐的になってしまう。

仕方の無い事だろう。

因果応報、自分がして来た事が自分に降りかかってきているだけのこと。

そう、あの日もそうでした。

私は、その日も妻を傷つけてしまったのです・・・・・

          ー終わる始まる④ー

次回に続く・・・

ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(85)妻がいるという事・第一章 

終わる始まる③

妻と私は歳の差9才。

私が9才年上。

結婚したのは、私が30才、妻が21才の時でした。

この年齢でこの年の差は、ハッキリ言って「圧倒的年の差」

要するに、結婚当時は私が完全に主導権を握っていて、何をするにも私が決定権を持っていた。

完全に「お殿様」状態だったのだ。

でも、私としては若い(幼い)妻を守らなければ、という責任感が強すぎて「何でも俺に任せなさい!」

「俺の言う事を聞いていれば良い!」

そんな旦那でした。

そんな私に、新婚当初は、頼もしさを感じていた妻も妊娠をしておなかの子が少しづつ育っていくにつれ、私の態度や言動に違和感を持つようになっても無理は無いと思う。

その要因の一つとして、私が妻の体調の変化や妊娠中の心の変化に鈍感だったことも一因でした。

こんな事が有りました。

その日は、日曜日。

生まれて来る赤ちゃんの物を買いに行く予定でした。

池袋のデパート内のショップを見て回っていた時妻が突然、具合が悪くなりました。

めまいを起こしその場でうずくまってしまいました。

店員さんが異変に気付いて声を掛けてきました。

「具合が悪いのですか?どうぞこちらでお休みください。」

店員さんの控室で休むように気を使ってくださいました。

ところが、そんな店員さんの温かい心使いに対して、私は店員さんに迷惑を掛けてはいけない・・・

妻の体より、店員さんへの体裁を優先させてしまったのだ。

妻を抱え、その場を離れ通路脇のベンチに座らせて休ませました。

幸い妻は体調が回復して、無事帰宅しましたがその時妻は、どう思っただろうか・・・

妻への心配り、感謝、気配り。

人間として未熟な私には、全くその様な感覚が無かったのでしょう。

今から思えば、本当に妻には申し訳ない事ばかりです。

妻の「離婚メーター」が100%になるまでこの愚行は続くのでした・・・・・

          ー終わる始まる③-

次回に続く・・・

ずぼらな書体で粋な漢字をデザイン・39デザイン事務所(84)妻がいるという事・第一章

終わる始まる②

妻から突然言われた「離婚したい」の一言。

しかも、妻の本気度がもろに伝わり今までに無い空気が流れた。

そうなるとこの事態を整理する事が、兎に角非常に難解で、、、というか、それ以前に気持ちの整理がつかず、、。

時間と言うものは偉大だ!

どんなにパニックに陥っていても時間が経つにつれ確実に冷静さを取り戻せる。

長い人生の中で、こういった経験は何度も体験して来たはず。

それこそ、何度も修羅場を経験して来たはずなのに今回の「離婚したい」の件は今までに無い感覚で自分の感情をグラグラと揺り動かした。

それでも、徐々に冷静さを取り戻し、色んな事が頭を駆け巡った。

そして、その日から始まった「離婚へのカウントダウン生活」が自分の人生をどの様な方向へと導いていくのか・・・

そして、妻の人生が何処へ向かっていくのか?

毎日、毎日そんな事を考えていた。

私は妻との「離婚」は、全くと言っていい程、考えた事も無かった。

たまに妻と喧嘩した時に、「こんな女と別れて一人で自由に悠々と暮らしてみたい!」などと瞬間的に思う事もたまには有るが、それも全く本心ではなく、そんな感情もいつの間にかすっかり忘れているのだ。

だから、また喧嘩の種を蒔いてしまうのだ。

「結局のところ、だいたいの場合、私が悪いのだ」

そして、「妻はわかってくれている」という大勘違いを私は長年抱えて生きて来たのだ。

なんて、愚かな男なのだろう・・・

         -「終わる始まる」②-

       次回に続く・・・